「看護師の感染状況を把握できない」 NY、労働組合などが病院に訴え

 ニューヨーク州看護師組合(NYSNA)は7日、組合員の新型コロナウイルス感染に関する情報を市内の複数の病院が共有しないとして、全米労働委員会(NLRB)とともに病院を相手取り提訴した。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
 NYSNAは、組合員が4万2000人。州内では最大の看護師組合だ。過去数週間にわたり、感染検査で陽性となった組合員数、欠勤日数といった情報を市内の病院に求めてきた。モンテフィオーレ病院は全体の27%に当たる1249人が3月初からこれまでに新型コロナウイルスの感染の疑いや、家族が感染したことなどを理由に欠勤し、13%が陽性反応を示したと発表した。しかし、マンハッタン区マウントサイナイ病院、ニューヨーク・プレスビタリアン病院、ブルックリン区のキングスブルックユダヤ医療センター、ブルックリン異教徒医療センターなどからは協力を得られていなかったため、NLRBとともに提訴。同組合では少なくとも22人がコロナ禍で死亡したとしているが、病院が情報を提供しないため、感染の全体像を把握できずにいる。
 NLRBは通常、両者に和解を求める。こじれた場合は、病院に対し訴訟を起こし、行政法判事が判断を下すことになる。市内の病院は当初、検査器具不足だったため医療従事者に対して新型コロナウイルスの検査を十分に実施していなかった。ニューヨーク市もパンデミック当初は、無症状患者のテストは行っておらず、感染者の正確な集計は不可能との指摘もある。マウントサイナイ病院やニューヨーク・プレスビタリアン病院はコメントを控えている。

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