新型コロナウイルスの影響で、 マンハッタン区51丁目5番街にあるセントパトリック大聖堂が財政難に陥っている。ニューヨークタイムズが19日、報じた。
通常、同大聖堂への訪問者は90%が地域外の在住者。献金やギフトショップの売り上げで月100万ドル(約1億715万円)の歳入があった。ところが、コロナ禍で大聖堂も3月に閉鎖。6月28日に日曜ミサを再開したが、旅行客の参加が激減した。通常1万5000人の定員を、入場制限で1800人に減らしたが、これまでのミサに集まったのは400人にすぎない。このため400万ドル(約4億2800万円)の歳入が不足。光熱費の支払いも難しくなる。大聖堂のロバート・リッチー司祭は、「このようなことは今までなかった。イースターはなし。夏の観光シーズンも壊滅的。ディナーなど寄付金集めもできない」と頭を抱える。
ビラノバ大学のマシュー・マニオン教授によると、米国内にあるカトリック教会177教区の内92教区で3月以降、歳入が半減した。セントパトリック大聖堂は、ニューヨーク大司教区から支援はなく、逆に、歳入の8%を大司教区に収める立場にある。ただ、給与保護プログラム(PPP)の対象となり、連邦政府から100万ドル弱の支援を受けて、50〜80人の従業員は解雇を免れた。それでも、献金は頼みの綱。リッチー司祭は「できる方はどなたでも」と献金を呼びかけている。