ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は5月29日、昨今市で頻発している教員の性的違法行為を受け、処分の最終判断は教員組合ではなく市が持つべき、という見解を発表。対象教員には懲戒免職もやむを得ないという処分の厳罰化も示唆している。
現行の州法では、終身雇用教員が自身を弁護する権利が保証されており、教員が関わる違法行為事件は、学校区と教員組合からの調停者が審理し、教員の処分が決定される。
ブルームバーグ市長は「組合側は教員の過失を軽視し、緩和な処罰しか与えていない」と述べ、「教員より生徒の安全確保を優先すべき」として、厳罰化を主張。今回、市や州の教育長に最終判断の権限を与えることで、性的事件を起こした教員に対する処罰のプロセスを迅速化する、という新しい州法を提案した。
市長事務所の広報ローレン・パッサラキア氏によると、ニューヨーク市は110万人と全米最多の生徒を抱えており、教員数は7万5000人。教員による生徒を巻き込んだ性犯罪は年間30〜35件発生している。
今月ニューヨーク市は、教員がソーシャルネットワークサイト(SNS)で個人的なウェブサイトを介し生徒に連絡することを禁止する内容などが明記されたSNSに関するガイドラインを制定した。