NY市、バスの運転手への暴行が増加 20%が、マスク非着用などの注意を受け

 ニューヨーク都市交通局(MTA)が運営するニューヨーク市の路線バスで、マスクの非着用を注意した運転手への暴行事件が増加している。ニューヨークポストが19日、報じた。
 新型コロナウイルスの影響により、地下鉄の利用者は80%、バスの利用者は50%減少している。さらにMTAの統計によると、4月15日から6月30日の間に、MTA職員への暴行が515件報告されていた。昨年同時期の507件から、1%の増加となる。報告された暴行事件の20%以上が、ソーシャルディスタンスまたはマスク着用を利用客に求めたことをきっかけに発生。2件を除き、全てがバスの車内で起きていた。MTAでは、これまでに職員130人以上が、同ウイルスに感染し死亡している。運転手の感染に対する懸念に対応するため、MTAは一時的に運賃の徴収を停止し、バスの前方にバリケードやプラスチックの壁を設置。後方のドアだけを使うようにした。
 しかし、8月からはこれに代わり、バス4800台の運転席の周りをプレキシガラスとビニール製の壁で囲む。また、運賃の無料化や後方のドアだけの使用は同月末で終了する予定だという。
 労働組合のローカル100の最近の調査によると、一部の路線では、乗客のマスク着用率は35〜40%と低いため、同組合は、市およびMTA当局に、警官の派遣を要請した。MTAバスの運転手からは、「私は、警官ではない。私の仕事は、ただバスを安全に運転することと、仕事に行って家族の元へ安全に帰宅することだ」と懸念の声が上がっている。

MTAバスの車両。運転席の周辺がプラスチック製の壁で囲われている(Yurika Fukagawa / 本紙)

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