裕福層に対する不平等を訴え、一連の抗議運動を主催するデモ団体「ウォール街を占拠せよ(OWS)」のメンバー5人が5月25日、自作の図書館が崩壊されたうえ、2798冊の書物を没収されたとして、4万7000ドルの損害賠償を求めニューヨーク市と市警察庁(NYPD)を提訴した。
昨年11月15日未明、OWSの本拠地となっているロウワーマンハッタンのズコッティ公園にNYPDが押し入り、デモ隊の立ち退きを要求。活動員約200 人が逮捕された。その際、公園内に仮設テントで作られた〝パブリックライブラリー〟と呼ばれる自作の図書館の一部が破壊されたほか、本やコンピューターなどが没収されたとしている。
没収された本は市衛生局で保管されており、メンバーらは後日同局に没収物を引き取りに行ったが、破損したものや紛失しているものが多数あったと主張。これを受け、OWSのメンバーらはノーマン・シーゲル弁護士とインターネット競売大手のアマゾンを用い、一冊の本の価値などを見積り、賠償金を求めている。
またOWSは、ズコッティ公園を襲撃したNYPDの立ち退き計画の詳細を明らかにするよう要求。同市のマイケル・ブルームバーグ市長は、公衆衛生と安全のため立ち退き作戦に踏み切った、と説明している。