ブルックリン区、クィーンズ区、ブロンクス区で流し営業する「アウターボロータクシー」の実現が危ぶまれて来た。ニューヨーク州最高裁判所裁判官アーサー・インゴロン氏は1日、ニューヨーク市が市内のタクシー営業許可証である1件100万ドル相当のメダリオン2000個以上と、マンハッタン区以外の地区でタクシー営業するための1万8000の特別運転免許の販売に、一時的差し止め命令を出した。
同市のマイケル・ブルームバーグ市長は、新たなメダリオンを売る計画の承認をすでに州から得ており、来月にもメダリオンの販売が始まるところだった。
イエローキャブと差別化を図るため、うす緑色のボディーをしたアウターボロータクシーは、イエローキャブの戦地であるマンハッタン区内の営業を制限することで合意。業界に影響を与えることはないとされていたが、イエローキャブ側がメダリオンの価値が下がるうえ、収益に悪影響が出る恐れがあるとして同サービスの開始を阻止しようと働きかけていた。
インゴロン裁判官は、75年間市議会に委ねられてきた市のタクシーサービスが、市議会の決議を無視し州に委任されるのは問題だ、と結論づけた。