ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は同市を東海岸を代表する「自転車の町」にしようと、自転車専用レーンを350マイル延長したり、駐輪用ラックを道の縁石に設けるなど、町で多くの人が自転車を利用し易くする政策を推進している。最近では、自転車シェアプログラムも導入され始めた。
こんな中、マンハッタン区を中心に、自転車利用者に優しい店が急増している。現在、約250カ所あるとされる「自転車フレンドリー店」は、数カ月後には1000店以上になると予想される。
クラウンハイツにあるスイーツの店「キャンディーラッシュ」では、自転車での来店客に10%の割引サービスを実施しており、連日、多くの客がドーナツやキャンディーを買い求める。同店店長のケビン・フィリップさんは「今後も割引を目当てに、自転車で来る客が増えるだろう」と予測。さらに市交通局に、既存の車両駐車場を駐輪場に変えてはどうかという案も持ち掛けている。
また、ロウワーイーストの「ルカ・ラウンジ&バー」では、自転車で来店する客にビールを無料提供している。だが、米保険社会福祉省の調査によると、1996年から2005年の間に自転車事故で死亡した人の21%が3時間以内にアルコールを飲酒していたという結果が出たため、自転車利用者への飲酒斡旋を懸念する声も聞かれる。