ニューヨーク市内で、学校への持ち込みが禁止されている携帯電話の一時預かりサービスを提供する新ビジネスが成功しており、話題を呼んでいる。だが、生徒からサービス料金を徴収するシステムに否定的な意見も聞かれる。
同市内では基本的に、犯罪率の高い学校に銃や刃物など危険物の校内持ち込みを防止するため、校舎入り口に金属探知機が設置されており、毎日12万人の生徒がこれを通り校内に入る。携帯電話の校内持ち込みも、カンニングなどの不正行為や授業の妨げになるという理由で、市内の学校では全面的に禁止されており、6年前からは探知機は携帯電話を没収するためにも使われるようになった。
こうした中、生徒の携帯電話を学校の近くで一時的に預かる事業を展開する店が複数出現し、年間420万ドルもの売り上げを出している。これらの店では、朝、生徒が1日1ドルの携帯保管料を店に支払い、帰宅の際にピックアップするシステムを取る。
「ぼくは今までに少なくとも500ドル使った。1日1ドル払えない子もいるのだから、本当は学校が無料で預かるべき」とブロンクス区コロンバス高校のジョナサン・ロリアノ君は話す。
また、ある保護者は、携帯電話は今の時代の子どもたちにとって不可欠なもので、子どもたちが何百ドルも払わなければならないビジネスモデルには共感できない、と学校への不満を露にした。
携帯電話預かりサービスを提供するセルセキュアのエディソン・バードウェルさんは、現在の預かり所を学校が使い、儲けの何%かをを学校へ還元することを提案。しかし、学校側は保管に伴う責任は負いかねないと主張する。
市教育委員会は、携帯電話の持込禁止規則を今後も維持する構えだ。