成長著しいセブンイレブン 地域の「便利」を形に

 日本でもお馴染みのコンビニエンスストア、セブンイレブンが、世界各国でビジネスを広げており、2時間毎に世界のどこかで新店舗を開店するなど驚異的な成長を遂げている。昨年だけで世界に4600店舗を新たにオープン、うち188店舗はニューヨーク州に集中。現在世界16カ国に約4万6000店を展開している。

 1927年にテキサス州ダラスで氷販売店として事業を始めた同社だが、現在は日本を本拠地とし、特に韓国、タイ、米国、カナダで急成長している。セブンイレブンの親会社セブン&アイホールディングスの2006年の売り上げは336億ドルだったが、10年は574億ドル、11年は624億ドル、と着実に成長している。

 セブンイレブンの人気の秘訣は、どこにあるのだろうか―。

 香港では買い物客がフレッシュパスタをスナックにし、電話代を払う。台湾では、交通違反金や光熱費の支払い、自転車の空気入れなどに使われる。日本や米国ではオンラインで購入した商品を受け取ることができ、健康志向者が多いマンハッタン区では、オーガニック商品が販売されている。ATMの設置や郵便、宅配便の窓口業務など、現代生活のインフラを担うまでになったと言っても過言ではない。

 このように、地域ごとに異なる「便利さ」の要求に柔軟に対応してきたことが、成功のカギの一つだ。また、売れ筋商品のデータを分析し、常に新しい商品を開発してきたこと、そしてリーマンショック以来の不況を逆手に取り、安い不動産を買収し経営を拡大してきたことも成功の秘訣と言える。