ガソリン価格に関心薄い有権者 次期大統領選挙

 市場調査のイプソスが行った世論調査によると、米国の有権者の三大関心事項は、ヘルスケア、経済改革、雇用改善であり、ガソリン価格は関心事トップ10の 10番目にかろうじて食い込むなど、ガソリン価格の変動に関心が薄いことが浮き彫りとなった。また、外交政策、移民および教育問題などの方をより優先すべき、と考えていることも判明した。

 この調査結果から、次期大統領選挙を控えたオバマ大統領が、上昇し続けるガソリン価格を抑制するために、非常事態に備えられている戦略石油備蓄(SPR)を使ったとしても、有権者の関心を引くことはできないということが分かる。

 イプソス世論調査員のクリス・ジャクソン氏は、「有権者はガソリン価格が今後どうなるかに関心は持っているが、そのことがオバマ氏を次期大統領に選ぶことに直結しない。大半は、ガソリン価格を政府があまりコントロールできない独立した問題と捉えている」と分析する。

 ガソリン価格はことし4月、全国平均で1ガロン3.94ドルと最高値を記録した後、一時安くなったが、7月には再び高騰し、最近では3.72ドルに再上昇。ニューヨーク、ニュージャージーエリアでは現在も4ドル前後の値を張るなど、全国レベルでも高い。