米自然資源防衛協議会(NRDC)が21日発表した調査によると、米国では食料の40%にあたる年間1650億ドル相当の食料品が廃棄処分されていることが分かった。各家庭では賞味期限切れなどを理由に14%〜25%が捨てられ、年間1365ドル〜2275ドル相当が無駄になっているという。
また、ファストフード最大手マクドナルドでは一定の品質を保つため、7分ごとにフライドポテトが捨てられ、ダイナーなどでは当日の閉店までに使用しなかった食料品が処分されているという事実も判明。うち、わずか3%だけが堆肥となり再利用されるが、97%は埋立地に捨てられ、大量のメタンガスや温室効果ガスの発生源となり、深刻な地球温暖化現象を引き起こしているという。
だが、食品の無駄は一般家庭や飲食店だけの問題ではない。農家では異常気象などに備え、常に余分に作物が作られており、約7%が収穫されない。また、色や形の良いものだけが取り引きされるため、その他は処分される。また、流通段階で適温が保たれない場合、食品が腐ってしまい出荷できなくなる。市場などの小売店では、一日平均約2300ドル分の賞味期限切れの食品が処分されているという。
専門家らは、各個人がこうした無駄を意識することで、ゴミを減らすことが可能であると指摘する。英国では、政府が国民に食料の無駄意識を喚起し、過去5年間で18%のゴミを削減することに成功している。