ニューヨーク市保健精神衛生局(DOH)のデイブ・チョクシ局長(39)は、市内で新型コロナウイルスの感染者が増加していることから、入院患者や重症者が今後増えるとして懸念を表明した。ウォール・ストリート・ジャーナルが11日、報じた。
市内では現在、ブルックリン区やクイーンズ区などでクラスターが発生するホットスポットに、都市封鎖(ロックダウン)が行われている。チョクシ局長が妻と幼い娘と一緒に住む住居もその真っ只中にあるという。「陽性反応者の増加を懸念している。入院患者や重症者の増加につながることが科学的に証明されているからだ」。こうした地域では、同ウイルスに対する免疫や病気の深刻さに関して誤った情報が広まっていることが事態を悪化させていると同局長は警鐘を鳴らす。
前任者のオキシリス・バーボット氏がデブラシオ市長との確執で辞任したことから今年8月に就任。前職は市の公共病院システムで公衆衛生の責任者だった。役不足との批判もあるが、2012年に東海岸を襲った大型ハリケーン、サンディーの対策や新型コロナウイルスの患者治療の最前線にいたことで、危機管理の「ノウハウも蓄積した」と胸を張る。コロナ禍に息つく暇もなく働き続けるDOH職員6000人の士気回復も大きな課題だ。最近も、職員を前に「市の経済回復は、我々の努力いかんにある」とげきを飛ばしていた。