健康と安全面で良いとされるオーガニック食品は、一般の食品と比べて期待されているような目立った利点がないことが、スタンフォード大学メディカルセンター研究チームによる調査で分かった。オーガニック食品は殺虫剤や化学薬品を使って作られた一般食品と比較して残留農薬の割合は少なかったものの、ビタミンやミネラルの含有量に関してはほとんど違いがなく、特に栄養価が高いわけでもないのだという。
この調査では、一般の食品とオーガニック食品2種類中の栄養価、バクテリア、農薬レベル、摂取している人の健康状態、などの項目につきそれぞれ検査された。
一般の食品を摂取している子どもたちの尿中からは安全基準内の残留農薬が見つかったが、オーガニック食品を食べている子どもたちの尿中からも低レベルの残留農薬が検出されている。また、非オーガニックで育てられた豚肉や牛肉などの抗生物質の耐性菌のリスクはオーガニックのものより30%高いことも判明している。
だが、オックスクスフォード大学の科学者たちは、有機農業がより多くの温室効果ガスを排出し、環境に良くないことを指摘している。一方で、土壌協会はオーガニック食品が農薬摂取を避けるために役立つと反論している。
いずれにせよ、今回の調査結果を受け、健康志向が強くオーガニックマーケットが人気を博すニューヨークの市場にも影響が出そうだ。