米司法当局は17日午前、ロウワーマンハッタンにある連邦準備銀行(FRB)を爆破しようとしたとして、バングラデシュ出身の男を逮捕した。連邦捜査局(FBI)によるおとり作戦で、一連の犯行が明るみに出た。
男は国際テロ組織アルカイダと関係がある、クイーンズ区在住のクアジ・ナフィス容疑者(21歳)。FBIが用意した偽の爆薬を積んだ自動車をFRBの前に駐車し、遠隔操作で起爆しようとした。
ニューヨーク市警察庁(NYPD)のレイ・ケリー長官によると、ナフィス容疑者はテロ攻撃を実行するために留学生として学生ビザを取得、一時はミズーリ州の大学に通っていたが数カ月前にニューヨーク市に渡っている。知人いわく、FRBの他に、オバマ大統領の攻撃も企てていたという。
事件から一夜明け、米メディアの取材に応じたバングラデシュ在住の容疑者の父親は、「息子がテロリストであるはずがない」と繰り返し主張しており、一連の犯行を否定している。
シカゴでも先月、同様の事件が発生している。シカゴのテロ未遂事件では、ダウンタウンにあるバーの前でFBI捜査官が予め車に積んでおいた偽の爆弾を爆発させようとしたとして、シカゴ郊外の街ヒルサイドに住むアデル・ダウド(18歳)容疑者が逮捕された。この2件のテロ未遂事件を比較すると、さまざまな類似点がある。
まず、容疑者はいずれも同年代の青年であること。また、インターネット上のイスラム過激派のジハード戦士(Jihadist)が集うチャットルームに書き込みをしたことによって、FBIの調査対象となったこと。そして、FBIが用意した偽の爆弾を搭載した自動車を使ったテロ爆破を企てたために逮捕されている。