犯行否認後に自殺 横領疑惑の元大学学長

 クイーンズ区にあるセント・ジョーンズ大学から100万ドル以上を横領し、海外の奨学生に対し家事手伝いを強要したとして起訴されていた同校の元学長セシリア・チャン被告(59歳)が6日、同区内の自宅で遺体となって発見された。市警察庁(NYPD)は自殺と断定している。

 チャン被告は警察に発見される数時間前に、ブルックリン区連邦地方裁判所で行われた公判に出廷し、自身の行動を弁明したばかりだった。

 検察側の見解によると、チャン被告は学長という地位を利用し、海外からの学生に対し奨学金を約束する代わりに同被告の家事手伝いを強要し、従わない学生は退学処分にするなどと脅迫していた。また、学生の名義で銀行口座を複数開設し、大学の資金を着服していた。

 6日の裁判では、チャン被告の弁護士が最初の陳述で同被告が得た金銭は被告が所持する権利があり、学生の家事手伝いは強要したものでは無いなど、一連の容疑を否認。その後、複数の学生や大学関係者らが証言すると、チャン被告は弁護士の反対を押し切って自ら証言台に立ち自己弁護した。

 裁判を担当したスターリング・ジョンソン・ジュニア裁判長はチャン被告の死亡が確認された後、同裁判の無効審理を言い渡した。

 被告は台湾から1975年に留学生としてセント・ジョーンズ大学に入学し、その5年後には大学のため2000万ドルもの資金を集め、学長に上り詰めた。