ニューヨーク市議会は同日、市職員の賃金データを分析し、白人男性の賃金がマイノリティーや女性よりも高いとする報告書を発表した。ゴッサミストが29日、報じた。
それによると、ヒスパニック系・ラテン系職員の賃金は、そうでない職員の賃金より年間8700ドル(約円91万400円)下回っていることが判明。黒人職員と白人職員では、7600ドル(約80万円)の賃金格差があった。さらに、アジア系は白人より6500ドル(約68万円)低かった。男女の賃金格差も4500ドル(約47万円)だった。コーリー・ジョンソン市議会議長は「唾棄すべき統計」と酷評。「組織的に差別があることが立証された。どれほど陰湿なものかを見極め、対策を練り上げる」と続けた。
市職員に人種や性別で賃金格差があるという指摘はこれが初めてではない。米国通信労働組合は、ブルームバーグ前政権を提訴。米国雇用均等委員会(EEOC)が、有色人種の女性と白人男性の賃金に「組織的かつ歴史的な問題」が存在すると断じている。2019 年には、市職員の賃金データを公開する条例が成立。デブラシオ市長も今年4月には、雇用や賃金で人種格差撤廃を目指すタスクフォースを発足させ、シャーレーン・マックレイ夫人を委員長に据えた。今回の報告書に関し、デブラシオ市長は「全ての職員に同一労働同一賃金を徹底させる。これに尽きる」とツイートしている。