アイビーリーグの名を傷つけるな! 所属大学、相次いで規制強化

 米東海岸の名門私立大学連盟、通称「アイビーリーグ」に属する大学内で、大量飲酒や新入生へのいじめ、性的嫌がらせなどの非行行為に及ぶ学生が増加していることを受け、校則違反の取り締まりを強化せざるを得ない大学が増加している。
 リーグ屈指の名門校ハーバード大学では、校内でパーティを行う際には事前登録を義務付け、飲酒ゲームを禁止した。コーネル大学ではフラタニティーと呼ばれる男子学生社交クラブの寮にアドバイザーが住み込むことが義務化された。
 またダートマス大学では、男女の全学生社交クラブの集会所入り口にセキュリティーチェックを導入し、プリンストン大学は同クラブへの新入生参加を禁止するなどした。
 
 米国の大学では、1960年代に学生の生活態度に関する厳しい規制が廃止されたが、度を越えた非行行為の頻発を受け、各大学が再び規制強化に乗り出す結果となった。
 ダートマス大学では昨年、あるフラタニティーで嘔吐物を混入したオムレツを誰かに食べさせる儀式が長年行われていたことや、集団での違法薬物乱用が発覚したほか、コーネル大学では急性アルコール中毒で死亡する学生が出ている。

 カリフォルニア州オクシデンタル大学社会学部長のリサ・ウェード氏は、「各大学はこれまで、学生らに対し自由を与えることで、いかに大学が魅力的かをアピールし学生取得合戦を展開してきたが、世論は秩序を守るための厳しい規則の設置を大学側に求め始めているのでは」と分析する。