ニューヨーク州内で、ここ数年で一番の猛威を振るっているインフルエンザの流行を受け、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は12日、緊急事態宣言を出した。
同知事は、「2009年以来、最悪のインフルエンザシーズン。州内57郡、市内5区の全域でインフルエンザへの感染報告がされている」と状況を説明し、州法により規制されていた薬剤師による18歳未満の州民へのワクチン接種を30日間に限り可能にすることを発表した。
クオモ知事のこの宣言を受け、州内の薬局には多くの州民が駆けつけ、長蛇の列ができ、混乱が起きたり、ワクチンの在庫が切れるという事態が次々と発生。
ミッドタウンの薬局を訪れたエリカ・ベルさんは「あと20本のワクチンしか残っていないと薬局係員が言った途端、人々は我れ先にと書類を奪い合い、互いを押し合い、大混乱となった」とその時の様子を語った。
マレーヒルにある米大手薬局CVSの薬剤師、シャネー・バローさんは「10日の時点ですでにワクチンの在庫はなくなり、再入荷に数日以上を要する見通し」だと言う。「昨年は1日4〜5人にワクチンを投与していたが、今年は1日40人以上」と、この異常な事態を心配した。
ニューヨーク州健康局によると、今年に入ってすでに10人のインフルエンザ患者が亡くなっている。今シーズン報告されているインフルエンザ患者は、2011〜12年のインフルエンザシーズンの4404人を大幅に上回る1万9128人となっている。