新型コロナウイルスの影響で観光客が姿を消したニューヨーク市で、土産店の存続が危ぶまれている。ニューヨークタイムズが16日、報じた。
市の経済は徐々に再開し、一部の労働者はオフィスに戻ったが、観光客はまだほとんど戻らないため、ヤンキースや地下鉄、ブルックリン橋、アイ・ラブNYなどのロゴが入った商品を売る土産店には、閑古鳥が鳴いている。市の観光産業は昨年、10年連続の成長を記録し、過去最多の約6700万人が市を訪れていた。パンデミックが訪れる前までは、今年も同様の成長が見込まれていた。市会計監査局は今夏、市が来年、課税対象となる15億ドル(約1568億円)以上の観光売上げの機会を逃すだろうと推定した。
市の観光振興機関であるNYCアンドカンパニーによると、観光は40万人以上の雇用を支え、州税と地方税のうち約70億ドル(約7317億円)を占めるという。観光業の衰退は、ホテルやレストラン、バー、そして多くの小売業を苦境に追いやった。これまでは観光ブームのおかげで、土産店への来店者も多く、比較的安価な商品でも大量に販売することで、店主は高い家賃を払うことができた。しかし、週に数百万人の観光客が市を訪れない限り、観光客を対象とした土産店は存続することは不可能で、今後、多くの店が廃業することが予想されている。