学校閉鎖で保護者から落胆の声 NY市の公立学校

 デブラシオ市長は19日から、全ての公立学校を一時閉鎖し、完全遠隔授業に切り替えると発表した。公立校が完全遠隔授業となった3月中旬の状態に逆戻りすることになる。ウォール・ストリート・ジャーナルが18日、報じた。

 ニューヨーク市内で、コロナウイルスの1週間の平均陽性率が学校閉鎖の基準値としていた3%を超えたことが原因。この基準値は、教職員や保護者と事前に合意されたものだという。市内の公立学校に通う生徒は約100万人。そのうち54万1000人は完全遠隔授業を選択しており、残りの生徒は週に1〜3日、対面授業を受けていた。

 「涙がこぼれる」と話すのは、ブルックリン区に住むロビン・レスター・ケントンさん。1年生の息子を持っている。クラスではリーダーシップを発揮できる優等生だが、遠隔授業では居眠りをすることもあるという。「遠隔授業は有害だ」と嘆く。

 完全遠隔授業は少なくとも11月いっぱい続く。ニューヨーク市教員連盟(UFT)のマイケル・マルグルー会長は「今、ニューヨーカーは安全に再開ために社会的距離の確保やマスクの着用で、陽性率を下げることに尽力するべきた」と訴える。ただし、デブラシオ市長は「陽性率が3%を切ったからと言って、自動的に対面授業を再開するとは言えない」としており、先行きは不透明だ。

写真はイメージ。ブルックリン区で撮影(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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