医薬品大手に賠償金支払い要請 風邪薬の副作用で失明した女児

 マサチューセッツ州在住の7歳(当時)の少女が2003年、風邪薬として米医薬品大手ジョンソン&ジョンソンの一般医薬品子ども用モトリンを服用した後に、失明および全身の皮膚粘膜の9割が壊死したとして、少女の両親が同社を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、プリマス上位裁判所は13日、同社に6300万ドルの支払いを命じた。

 判決によると、被害に遭ったのはサマンサ・レッキスさん。約10年前に風邪の兆候があった際に同社が製造するイブプロフェン(モトリン)を服用したところ、激しいアレルギー反応を起こし、失明や表皮壊死だけでなく、記憶障害や肺疾患に苦しめられた。
 原告の弁護士によると、同社の医薬品には処方に関する注意書きがほとんどなく、副作用についての危険性などについても明記されていなかったため、「注意義務を怠った」として同社の過失を訴えていた。

 ペンシルベニア州でも11年、子ども用モトリンを服用した少女が、失明と記憶障害に加え肌の84%を失うという同様の事故が発生している。