NY市コロナ接触追跡者の実態  「効果的な制度か疑問」「全ては夢なのではないか」

 ニューヨーク市内に新型コロナウイルスのコンタクトトレーサー(接触追跡者)が4000人。陽性者が自己隔離を行っているかを確認し、その濃厚接触者にも自己隔離を要請するのが主な仕事だ。その1人に匿名で実態を語ってもらった。ゴッサミストが9日、報じた。
 6月に職を得て、オンラインでトレーニングを受けた。陽性者コンタクトを開始したのは7月中旬だ。1日に5件程度のケースが届く。まず、電話をかける。毎日かけると「しつこい」と怒鳴られることもある。電話で3回連絡しても確認ができない場合は訪問する。それが1日に2件程度だ。ハンドサニターザ―を携え、マスクと手袋で武装。 相手がマスクをしていることはまずないから、持ち合わせのマスクを進呈することになる。
 どこで感染したか、誰にうつした可能性があるかを把握している人はほとんどいない。「外出できない」「仕事に行けない」と説明すると、絶句するか怒り出すかだ。たまには「分かった」とすんなり受け入れる人もいる。だが本当に分かっているのか、その場しのぎでそう言っているのかは不明。だから、この制度が効果的と言えるかは大いに疑問だ。
 道端でマスクを着用せずに話し込んでいる人を見ると、むなしくなる。全ては夢なんじゃないか、そんな思いに駆られることもある。
写真はイメージ

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