ニューヨークで暮らす日本人にとって、頭痛の種のひとつは間違いなく「病院」だろう。なかでも「歯医者」は、言葉や保険の問題など歯の痛み以上に不安なことも多く、ますます具合が悪くなりそう──という人も多いはず。「日本に一時帰国する時まで歯医者は我慢!」なんてもう言わなくてもいい、「古川歯科」をご紹介。
「痛い」「腫れた」そんな時日本語の通じる歯科クリニック
マンハッタンのどまんなかグランドセントラル駅から歩いてすぐ、国連のほど近くにある「古川歯科」。出迎えてくれるのは、古川理香先生と助手の敦子さん、受付の友紀さんだ。「虫歯が痛くて夜も眠れない」「歯茎が腫れて何も食べられない」そんな時こそ日本語で話せて、きめ細やかで安心できる治療が受けられるのは何よりもホッとする。
審美歯科やインビザラインなどの相談・治療ももちろんだが、多くの人にとって一番身近なのは、やはりなんと言っても「虫歯」や「歯周病」についてだろう。
虫歯予防のためにできることとは?
一般的によく言われる虫歯予防法は、甘いものを控えること。ごはん、パン、パスタといった炭水化物に含まれているデンプンや糖分も─である。しかし、この誘惑に勝てる人はなかなかいないはず。古川先生も「甘いものやごはんへの思いを断ち切ってください、なんて私は言いません。でも『食べ方』を変えてみてください」と提案する。
時間をかけてだらだらとキャンディーやチョコレートを頬張るより、むしろ一度にむさぼるように食べた方が歯には負担が少ないというのだから驚きだ。「甘いものを食べ終わった20分後には、口の中の水素イオン指数(pH)が中性から虫歯になりやすい酸性に変わるから」だと古川先生は指摘する。もし3時間の間、1時間ごとにキャンディーを1個ずつ食べたとすると、それは歯が1時間も酸性の状態に置かれることを意味するが、一度に食べてしまえば、20分間だけで済む。
また、甘いものを食べた後に、いつも歯を磨ける状況ではない。「そんな時、ガムなどに多く含まれるキシリトールが口の中を中性に保ってくれる」とも教えてくれた。
歯周病にもしなってしまったら!?
虫歯同様、気をつけたいのが歯周病。これは、歯の周りの組織が歯周病菌に感染し、歯茎がどんどん後退し、最終的には歯が抜けてしまう病気のこと。歯周病菌は歯垢(プラーク)に含まれ、一説には日本人の80%以上がかかっていると言われるくらい恐ろしい歯の病気だ。歯周病の目安となる歯と歯茎の間にできる「歯周ポケット」(歯医者で簡単に調べられる)と呼ばれるすき間が深くなったら、要注意だ。
代表的な症状には歯茎の軽い腫れや出血などがあり、歯ブラシの際の傷が原因となることも多いのだという。痛みなどの自覚症状がほとんどないため、歯医者に行った時にはすでに手遅れという人がとても多いのだとか。
歯ブラシやフロスをしにくい奥歯の辺りは特になりやすく、また思春期や妊娠といったホルモンバランスが崩れる時期も注意が必要だ。小さな症状に敏感になり、もしそれが続くようであれば、専門的な外科的処置が必要となる前に歯科医を訪ねることをおすすめする。
3〜4カ月に1度、歯のクリーニングを受けることで、歯周病は食い止められる。それが難しくても「少なくとも年に2回、歯科医を訪れる習慣をつければ、歯の健康状態を見極めることができる」と古川先生はアドバイスをしてくれた。
歯周病にかかわらず、歯の健康を保つにはかかりつけの歯科医を持ち、上手に付き合っていくことが大切。古川先生の診察室のドアは、いつもそんな人のために開いている。
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◎古川歯科
230 E 48th St, Suite 1C
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月〜木曜:完全予約制
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