昨年10月に米東部を襲った大型ハリケーン「サンディ」の影響で洪水被害に見舞われたイースト川沿いの人気観光スポット、サウスストリート・シーポートでは、未だ多くの小売店や飲食店が営業停止している。今秋には施設内にあるショッピングモール、ピア17の取り壊しも予定されており、夏を最後に閉店に追い込まれる店舗が多いようだ。
ピア17を所有する不動産開発業者ハワード・ヒューズ・コーポレーション(HHC)は、今秋に同建物を取り壊した後に、2015年までに大型小売店や屋上芝生を含むガラス張りの建物を建設する計画を発表しており、ニューヨーク市議会も同計画を先月、承認している。
この決定を受け、同社より立ち退きを言い渡されている、同施設内でクレープ店を10年営業してきたアレックス・コフマンさんは、「新ビル内の店舗スペースを借りることはできない。シーポートが店舗経営に最も適していたので、この先どうすればよいのか分からない」と、途方に暮れている様子。
市民の中には、夏の観光シーズンを迎えれば、小売店はサンディにより被った営業損失を補えると予想する人もいる。だが、ロウワーマンハッタン・マーケティング協会のクリーブ・バロウ委員長によると、サウスシーポート博物館などHHC以外の地主によって管理されている小売店や飲食店の3分の2が営業できない状態にあるという。
ピア17内の営業は9月9日までで、10月に取り壊し工事が開始される。