NY州議員、また横領で逮捕 相次ぐ汚職スキャンダル

 連邦捜査局(FBI)は6日、ニューヨーク州ブルックリン区選出のジョン・サンプソン上院議員を汚職容疑で逮捕した。
 サンプソン議員は2005年、ブルックリン区地方検事に立候補した際、同区で差し押さえの対象となった不動産を売却して得た金を、自身の選挙費用に充てるために横領したなどの疑いが持たれている。総額は約40万ドルに上るものと見られている。

 同日朝に開かれた会見でロレッタ・リンチ連邦地方検事はサンプソン議員について、「弁護士として、そして議員としての立場を悪用し、顧客や市民よりも自分の利益を優先した」と指摘。また、同議員が地方検事局の職員に接触し、自身の捜査に関わる書類を横流しするよう要求していたことについても明かした。

 サンプソン議員との関係も深く、昨年、汚職の疑いで逮捕された同州のシャーリー・ハントリー元上院議員が複数の議員との会合の様子を隠しマイクで録音していたことが数日前に判明。音源テープをFBIに提出した。録音された音声のうちひとつはサンプソン議員との会話が記録されたものだった可能性が高いが、リンチ地方検事は会見でこの件に触れ、「音源テープは司法当局に有益な証拠をもたらした」としたうえで、サンプソン議員の今回の逮捕はテープの内容とは関係がなく、詳細は来週中に発表されるとした。

 サンプソン議員は同日午後に出廷し、横領、司法妨害、および虚偽の供述という9件の罪状すべてについて無罪を主張している。