ニューヨーク州は13日、急増するスマートフォンの盗難被害に対応するため、国内大手の携帯電話メーカー各社に協力を要請したことを明らかにした。同州のエリック・シュナイダーマン司法長官は、アップル、グーグル、マイクロソフト、サムソンの各社に対し、携帯電話のセキュリティー保護に関する情報提供を呼び掛けると共に、盗難防止のための新たな対策への協力を求める書簡を送ったとした。
州当局は、携帯電話のセキュリティー管理会社ルックアウトと独自に提携し防犯対策の開発にあたっており、書簡ではメーカー各社にもこの開発に協力するよう要請したという。
米国では、人気スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を発売するアップル社にちなんで「リンゴ狩り」とも呼ばれるほど携帯電話の盗難が急増しており、対策が急務となっている。しかし司法当局からは、電話メーカーは窃盗が新たな売り上げにつながることを見越して、防犯努力を怠っていると批判する声も上がっている。
シュナイダーマン氏は書簡の中で、各社が製品説明で謳っているセキュリティー機能が「実際に機能しているのかどうか疑わしい」と指摘した上で、「消費者を狙う暴力的な犯罪防止のために、協力して解決策を見つけ出すことができるはずだ」とした。
特にニューヨーク市では、ことし2月にクイーンズ区の地下鉄駅でアイフォーンをめぐり3人が刺される事件が発生するなど深刻な事態となっており、ニューヨーク市警察庁(NYPD)は盗難された端末を追跡するようアップル社に求めるなどして積極的な捜査を行っている。