自由の女神像があるリバティ島の保安検査手順の変更について、米国立公園局(NPS)とニューヨーク市警察庁(NYPD)の間で意見の相違が出ている。
NPSは先日、米独立記念日に合わせて一般公開が再開されるリバティ島の保安検査方法の変更案を公表。2001年に発生した米中枢同時テロ以降、リバティ島やエリス島に向かう観光客は、フェリーに乗船する前に保安検査を受けなくてはならなかった。だが今回新たに出された変更案では、まず乗客全員をフェリーに乗船させ、検査は島に到着してから行うというもの。
これに対しNYPDのレイ・ケリー長官とニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員は27日、NPSの変更案は充分なテロ対策にならないとし、同案を見直すよう要求した。
ケリー長官は「観光客をテロ攻撃から守る対策において、NYPDとNPSの見解が異なっている。テロ組織の標的が『米国の象徴』である以上、より厳格な保安検査が必要だ」と懸念を示した。シューマー氏も「空港で乗客が飛行機に搭乗してから保安検査を行うようなもの。NPSは重大な過ちを犯している」と批判した。
また両氏は、リバティ島へのフェリー料金や自由の女神像の入場料を引き上げることで、より厳格な保安検査を行うことができるとも提案した。
リバティ島およびエリス島はハリケーン「サンディ」で高潮被害に遭い、これまで一般公開を中止していた。