NY公立学校の生徒数減少 予算返還で学校は苦境に

 ニューヨークの公立学校に通う生徒数は現在約96万人。コロナ禍で郊外に引っ越したり、私立学校に転校したりする生徒がでて、前学年比4%、約4万3000人減となった。市教育局(DOE)は学年度央の予算調整として生徒が減少した学校から予算返還を求めることになる。ウォール・ストリート・ジャーナルが1月31日、報じた。
  ブルックリン区プロスペクトパークのPS9でも73人が退校。1人につき4000ドル、合計29万2000ドルを市に返還しなければならない。ところがコロナ禍で代用教員を雇用する費用が週に2万ドル。「通常なら不要の支出をしいられており、返還は無理」と保護者会のジェシカ・フロレス会長は頭を抱える。そして、デブラシオ市長に書簡を送り「予算返還が教育に与える悪影響は計り知れない」と窮状を訴えた。超党派の市議会議員16人も20日、予算返還を猶予するよう求める書簡をデブラシオ市長に送付した。「返還を求めるのは不公平で理解に苦しむ。財政危機を招き、不必要な不安をかきたてる」と指摘。連邦政府によるコロナ財政支援を見極めるまで、予算返還の要求は待つべきだと主張している。DOEの報道官は、「各校はすでに調整額を計算済み。雇用増については必要に応じて財政補助を行う用意がある」としている。
Yurika Fukagawa / 本紙

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