サンディの修復で1年閉鎖へ 地下鉄R線の一部

 ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、昨年10月に米東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」による被害の修復作業のため、一部の地下鉄トンネルを約1年にわたり閉鎖することを発表した。着工は8月となる見通し。これにより、ブルックリン区とマンハッタン区をつなぐR線の走行に影響が出る。
 閉鎖されるのはイーストリバーの下を通るモンタギュートンネルで、サンディ襲来時に流れ込んだ海水により電気部品が深刻な被害を受け、現在も腐食が進んでいるという。
 R線の利用者の一人はこの知らせに対し、「(サンディ襲来後の)6カ月前にすでに対応はすべて終わっているとばかり思っていた」と語った。また別の利用者は、「車を持っていない多くの人が、ブルックリン区からマンハッタン区への移動にRやN線を利用している。多くの地下鉄利用者が不便に思うだろう」と述べた。
 MTAによると、鉄道と地下鉄の線路、自動車トンネル、地下鉄駅、および信号機器などがサンディによる海水の浸水で被害を受け、その総額は47億5500万ドルに上る見通しだという。MTAはこの修復のためにトライステートエリア全体で100億ドルを費やし、より災害に強い交通網の実現を目指す構え。
 また、ブルックリン区とクイーンズ区を結ぶG線のグリーンポイントトンネルについても、週末を使って地下鉄サービスを運休し、修復作業を行う計画を立てている。
 両トンネルの閉鎖期間中は、シャトルバスや他路線への無料乗り継ぎサービスで対応する。