ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は4日、女性人権団体「ウィメンズ・イクウォリティー・コーリション」の協力のもと、性別による差別や不平等をなくし、女性の権利を守るための「女性の均等法」に関する法案を提出した。
同法案は、①賃金の男女平等②職場でのセクシャルハラスメントの禁止③性別による雇用差別の禁止④性別による差別に関する訴訟で、勝訴した原告が融資を申請した際の弁護士費用の免除⑤子どもの有無による雇用差別の禁止⑥ドメスティックバイオレンスの被害者の保護⑦妊娠している従業員の保護⑧妊娠中絶の選択の自由⑨人身売買の禁止⑩低収入者への賃貸拒否の禁止—の10項目から成る。
同日、会見に参加していた女性が、9歳の頃にニューヨーク市内で誘拐され、人身売買の末、売春を強いられた経験を語り、知事の法案を支持した。性産業に従事させる目的の人身売買を起訴するためには、それが強制的に行われた事実を証明する必要があるが、同法案の下では被害者が未成年であった場合、強制についての証明は免除される。
また同法案下では、人身売買罪の厳罰化と共に、売春の罪で起訴された被告が人身売買の被害者であれば、売春罪が立証された場合でも、刑罰の軽減や免除などで被害者を守るといった条項も含まれている。