2011年に公開された映画「ブラック・スワン」(ダーレン・アロノフスキー監督、ナタリー・ポートマン主演)の製作にインターンとして参加した2人が、本来なら報酬が発生する仕事に無報酬で従事させられたとして、映画配給元のフォックス・サーチライト・ピクチャーズを訴えていた裁判で、連邦裁判所は13日、訴えを認める判決を下した。
原告の元インターン生らは、2010年に映画製作現場で食事の用意やオフィス清掃、データ整理などの作業を担当した。2人はこれが正規従業員の労働に値すると主張。ウィリアム・ポーレイ裁判長はこの訴えを正当であると判断し、フォックス・サーチライト・ピクチャーズに2人への報酬の支払いを命じた。
米労働省は無報酬で実施されるインターンシッププログラムについて“教育目的”であることを条件としており、雇用者側はインターン生を社員や従業員の補助労働に従事させてはならないと定めている。
米紙ニューヨークタイムズはこの判決について、「仕事内容が教育的であるという名目のもと、無報酬でインターン生に労働させている数多くの企業に影響が及ぶ可能性がある」と指摘。「インターンシッププログラムの中止を検討している企業は多い。この判決により、敬遠する企業がさらに増えるだろう」という専門家のコメントを紹介している。