ブロンクス区のホームレス責任者 セクハラ・職権乱用疑惑で解雇

 市内でホームレスシェルターを運営するブロンクス・ペアレント・ハウジング・ネットワークの取締役会は同日、責任者のビクター・リベラ氏(60)を解雇した。セクハラと職権乱用の疑いがあり、ブロンクス区の検事当局も捜査を開始した。8日ニューヨークタイムズが報じた。

 リベラ氏は2000年、同団体の創立に関与。同団体は現在、シェルター70カ所を運営し、市から年間2億7400万ドルの委託料を受けている。本紙は独自の取材に基づき、シェルター内に寄宿するホームレスを含む10人の女性がリベラ氏からセクハラを受けたことを突き止めて報道。立場を利用して、私腹を肥やした可能性があることも明らかにした。本紙の記事を受け、取締役会はリベラ氏を解雇。デブラシオ市長は、シェルター運営状況の見直しを指示しており、ブロンクス区地方検事局の報道官も「証拠固めを行っている」と表明した。

 リベラ氏は疑惑を否定。記事の内容は「不公平で、根拠がなく、無意味だ」と反論している。 ただし、同団体は17年と18年、リベラ氏からセクハラを受けたと訴えた元従業員2人に合計17万5000ドルを秘密裏に支払って和解したことがある。17年には、リベラ氏の身内びいきや利益相反取引に関して内部告発があり、市社会福祉局が同団体を要注意とした事実も明らかになっている。

ブロンクス・ペアレント・ハウジング・ネットワークのホームページのスクリーンショットより

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