ニューヨーク市クイーンズ地区に建設予定の大型ショッピングモールについて、計画の承認をめぐる都市計画委員会の公聴会が10日、市内で開かれた。同区のヘレン・マーシャル区長はすでに、「(ショッピングモール建設によって)十分に活用されていない土地が、活気あるコミュニティーに生まれ変わる」として計画を支持する考えを表明しているが、公聴会では地元市民や活動家から多くの反対意見が出される結果となった。
建築が予定されているのは、米大リーグ(MLB)ニューヨーク・メッツの本拠地、シティ・フィールド横の土地で、現在は駐車場になっている。開発業者のスターリング・イクイティーズとリレイテッド社によれば、ショッピングモールには200軒の商業施設に加え、映画館などの娯楽施設、2500世帯の集合住宅が隣接されるほか、将来的にはホテルや学校も増設する見通しだという。
公聴会では、非営利活動団体のエドワード・デ・バルビエーリ弁護士が「(計画が実施されれば)近隣で小売店を営む市民たちを待っているのは、破産と死だ」として計画を強く非難したほか、近隣の住民からも「市は強引に個人所有の土地を奪い、開発業者に渡そうとしている。これは地上げだ」「利益を得るのは市と開発業者だけ」といった反対意見が多く出された。
ショッピングモール建設は、総額30億ドルを投じて実施される同地域の再開発計画の一環。今後、都市計画委員会での投票により計画が承認されると、ニューヨーク市議会で最終決定が下される。