ニューヨーク州都市交通局(MTA)が運営する地下鉄の高架鉄道の安全検査が、過去に一度も行われていない場所があるという驚きの事実が、MTAへ提出された外部監査報告書によって明らかとなった。
同報告書を作成した監査官によると、ブルックリン区内でAまたはC線が走る高架と、2または3番線とL線が交差する高架の5カ所で、過去の安全検査の記録書類が見つからなかったという。
また、クイーンズ区内の7番線沿いの3カ所を含む5カ所の高架の安全検査が1997年以来実施されていないことも判明し、「検査の未実施により、これらの高架における構造上の破損や欠陥リスクが増加している」と同報告書には記載されている。
さらに、安全検査の対象リストに載せられていない場所が33カ所もあることを、MTA職員が監査官に報告している。
2009年に、マンハッタン区の181丁目駅構内の天井の一部が崩れ落ちるという事故を受け、MTAでは安全管理の専門チームを結成した。その後、同チームによって地下鉄の天井が崩れる危険性のある箇所が10以上も報告されているが、場所によっては天井が高すぎるなど、安全検査の実施が難しいところもあるようだ。