EN Japanese Brasserie

ビーガン懐石 〜大地の恵みを五感で感じて〜

 マンハッタン区ウエストビレッジにある和の名店「EN Japanese Brasserie(エン・ジャパニーズ・ブラッスリー)」がこのほど、「ビーガン懐石NOHARA(7コース、65ドル)」を始めた。さすがは旬の食材を使った本格日本料理を提供する同店だけあり、料理の一品一品は手間ひまかけて作られたものばかり。シェフのこだわりと愛情を垣間見ることができる。

 まずは、もずくやひじき、スモークソルトでいただくすくい豆腐、味噌を添えたこんにゃくを、清涼感あふれるプレートに載せた前菜の盛り合わせ。どれも素材の良さを物語る夏らしい仕上がりになっている。
 そしてコースを彩るのは、みずみずしい大根を使用した「大根しゃぶしゃぶ」。同店では〝さしみクオリティー〟と称し、生でもおいしく食べられる新鮮なものだけを厳選している。一人前の小さな鍋で自ら〝しゃぶしゃぶ〟するスタイルは日本食ならではで、非日系人にも大人気なのだとか。風味豊かな特製の胡麻ダレとの相性も良く、肉や魚がなくても、充分食べ応えがある。
 また昆布茶をベースとしたあんがたっぷりかかった「がんもどき」は、なんとも繊細で上品な味わい。根菜や豆腐フリッターの付け合わせと共に、盛り付け、香り、食感、味覚と多角的に味わうことができる。

さしみクオリティーの食材だけを使った「大根しゃぶしゃぶ」

 普段、肉や魚料理を好む人にとってビーガン料理は「何となく味気ないものなのでは…」と敬遠する傾向にあるかもしれない。そんな人にこそ、一度騙されたと思って同店の「ビーガン懐石」を試していただきたい。大地ですくすく育った野菜たちが、これほどまでに甘く、そして濃厚な味わいを生み出すものなのかー大地の恵みをシンプルにいただく、これこそが究極の贅沢ではないだろうか。きっとそこには、嬉しい想定外が待っているはずだ。

(上)彩り豊かな「前菜」(左下)香ばしい昆布茶のだし がきいた「がんもどき」(右下)可愛らしい小花があしら われた「おしんこロール」

(左)ふじりんごと完熟マンゴー のシャーベット(中央)湯葉とトリュフを 使った贅沢な「サラダ」(右)椎茸のだしに、モロヘイ ヤを練りこんだ特製麺を 使った「冷やしうどん」

EN Japanese Brasserie
プライス $$$
435 Hudson St, New York(bet Leroy & Morton St), NYC
212-647-9196 
www.enjb.com
※コースメニューには、一品一品に良く合う酒ペアリングも用意(別途料金)
ランチ:月〜金:12pm〜2:30pm
ブランチ:土・日:11am〜2:30pm
ディナー:日〜木:5:30pm〜10:30pm
     金・土:5:30pm〜11:30pm
     (バーは5pm〜)