ワクチン接種拒否の従業員を解雇
苦しい立場のレストラン
ニューヨーク州内のレストラン従業員は、新型コロナウイルスワクチン接種の対象者に含まれている。ブルックリン区のレストラン、レッドフック・ターバンは先週末、従業員全員に接種を要請したが、拒んだウェイトレスのボニー・ジェーコブソンさん(34)を15日に解雇した。17日、ニューヨークタイムズが報じた。
妊娠を希望するジェーコブソンさん。「ワクチンを支持する」としながらも、妊娠への影響を把握するまで待ちたいという気持ちが先行した。同レストランのオーナー、ビリー・ダーニーさんは「従業員と客の安全を優先した」と釈明。ただし「方針を修正し、もっと明確にする必要がある」と語っている。雇用者が苦しい立場にあるのも確か。労使関係に詳しい弁護士、ロイーリー・アルモンさんは「従業員や客の安全と従業員の懸念という2つに板挟みになっている」と指摘する。
ファイザー社は、妊婦へのワクチン治験を開始したところ。動物実験では妊婦や妊娠への影響はみられていない。ただ、世界保健機関(WHO)は先月、持病があるなどの高リスクでない限り、妊婦は「接種を避けるように」とのガイドラインを発表。その一方で、「妊婦の場合でも、ワクチン接種の利点を上回るリスクがあると決定付ける根拠はない」としており、悩ましい。