既婚率の低下が著しい米国だが、ニューヨーク市では結婚を選ばないカップルの割合が特に増えていることが分かった。
米国では、既婚成人の割合が1960年から2011年の間に72%から51%へと大幅に減少。また成人の28%以上が、一度も結婚したことがないというのが現状だ。
なかでもニューヨーク市では、15歳以上の人口の57.9%にあたる390万人が未婚(2011年現在)で、00年と比較して10.7%も増加していることが分かっている。ある専門家はこれについて、「居住空間が狭いこともあり、独身のライフスタイルを楽しみたい人が多いのではないか」と分析する。
また国民の結婚プロジェクト代表のブラッドフォード・ウィルコックスさんは、ニューヨーク市のカップルが結婚に踏み切りにくい理由として以下を挙げている。
①高額な家賃(家賃が低い地域では未婚率は低い)
②無宗教的な価値観が一般的(信仰心のある人の方が結婚率が高い)
③同性愛者の人口過多(昨年まで結婚が法的に認可されていなかった)
④中産階級の消滅(経済的な余裕がないカップルは結婚を遅らせがち)
⑤社会的な成功を収める女性の増加(成功した女性は、自分と同等または自分以上に成功している男性との結婚を望む傾向にある)
特に経済的な理由は多くのカップルにとって結婚をためらう要因となっており、何年間も生活を共にして子どもを育てているにもかかわらず、望みどおりの結婚式を挙げる金銭的余裕がないために、事実婚の状態を続ける人も多いという。