米連邦最高裁は22日、トランプ前大統領の主張を再度退け、トランプ氏の公認会計士に対し、ニューヨーク地方検事局に財政情報を提出するよう命じた。同日、ニューヨークタイムズが報じた。
トランプ氏が、不倫を告白した2人の女性の口封じに支払った金が捜査の発端。同検事局は、脱税や保険金詐欺も念頭に入れて、2011年以降の納税記録などを求めた召喚状を発行した。これに対しトランプ氏は「憲法違反」と主張。最高裁は昨年7月、「大統領といえども犯罪捜査のための証拠提出を免れない」としてこれを退けている。トランプ氏は「悪意、不当な負担」を理由に引き続き提出を拒んでいたが、最高裁はこの度、「恥をかかせる意図はない。経済犯罪の証拠としては典型的」として、この主張も退けた。財務情報がいつ提出されるかは不明。バンス地方検事は「捜査は続行中」とのコメントを発表している。
同紙は独自にトランプ氏の納税記録を入手。その分析を基に、トランプ氏と関連企業が巨額の損失を出し、多額の借金を背負っている実態、過去18年間の中11年間、連邦所得税を免れていた事実などを記事にしている。バンス氏も「タイムズ紙の記事で、財務情報はあらかた公になっている。プライバシー侵害の議論は無意味」と主張していた。