米ニュージャージー州の検察当局は25日、複数の米大手企業のコンピューターシステムに侵入し、クレジットカード番号などの個人情報を大量に盗んだ疑いで、ロシア国籍とウクライナ国籍の男5人から成るハッカー集団を起訴したことを明らかにした。盗まれたクレジットカード番号はおよそ1億6000万件で、被害総額は3億ドルに上る。当局によると、ハッキング事件としては米国内で過去最大級の規模だという。
被害に遭ったのは米株式市場のナスダック、金融メディアのダウジョーンズ、小売り大手のセブンイレブンやJ.C.ペニー、航空大手のジェットブルーなどの大手企業。
訴状によると、ハッカーグループは被害企業のコンピューターシステムに「スニッファーズ(sniffers)」と呼ばれる情報収集・盗難ソフトウェアをインストールして顧客のユーザーネーム、パスワード、クレジットカード番号、デビットカード番号などのデータを収集した上で、入手した情報を世界各地の違法データ売却業者に売りさばいていた。米国のカード番号は1枚10ドル、カナダは15ドルの値が付いていたという。
ニュージャージー州のポール・J・フィッシュマン司法長官は発表に際し、「コンピューターネットワークに侵入する技術と意図を持つ者たちが、我々の経済、プライバシー、そして米国の国防を脅かそうとしている」と述べた。
5人のうち2人は当局が身柄を拘束したが、3人は逃走中。