ニューヨーク市の有名高級百貨店サックス・フィフス・アベニューが、カナダの大手百貨店チェーンであるハドソンズ・ベイに総額約29億ドルで買収されることが29日、明らかとなった。買収価格は1株あたり16ドルで、買収総額にはハドソンズ・ベイが肩代わりする債務額が含まれている。
サックスは今後も商品調達やマーケティング、店舗運営に携わる人員について、ハドソンズ・ベイの傘下で個別の経営を引き続き行うほか、ニューヨーク市内の本社も維持する予定だという。同社は現在、約11万5000人の従業員を擁し、マンハッタン区5番街の名所でもある本店を中心に41の店舗を展開している。
サックスのスティーブ・サドブ会長兼CEOは発表に際し、「より大規模な企業の傘下となることで、『サックス・フィフス・アベニュー』というブランドの未来がさらに広がることを楽しみにしている」と期待を寄せた。
1670年に毛皮製品などの交易会社として創業したハドソンズ・ベイは、カナダ国内の複数の百貨店に加え、米大手百貨店チェーンのロード・アンド・テイラーを傘下に抱える。今後はサックスのブランド力を軸に、カナダ国内にも新店舗を展開する構え。