ニューヨーク市で、独自の製法や材料にこだわった「スペシャリティー・フード」と呼ばれる食品や飲料を製造する小規模会社の数が増えていることが、ブルックリン区のコミュニティー開発研究所であるプラット・センターの調査で明らかになった。
スペシャリティー・フードとは、地元産の材料や手作りの製法などに特徴を持つ食品や飲料で、その代表として地ビール醸造の「ブルックリン・ブリュワリー」などが有名だ。
同調査によれば、同様の小規模食品会社の数はニューヨーク市で2008〜12年の4年間に11%増加し、現在は1097社に上るという。
同センターは報告書の中で、「このような会社のために特殊なローン制度などを設けて経済的な援助を行うことで販売を促進し、雇用創出にも繋げることができる」とニューヨーク市当局に提言している。また報告書には「小規模企業が共同で利用できる流通センターを設置し、大規模な受注と発送を可能にする」というアイデアも盛り込まれている。
次期ニューヨーク市長候補で現市議会議長のクリスティン・クイン氏はこの報告について、「ローカルの食品製造業には、経済成長の大きな可能性があることは明らか」とコメントし、期待を寄せている。
当局によれば、現在ニューヨーク市でこのような食品企業に従事する人は、1万5000人を超えるという。