ニュージャージー州公益事業委員会はこのほど、州内から出るごみを再利用してエネルギーに変える「バイオマス推進計画」を発表した。同州は2011年に作成した「エネルギーマスタープラン」に基づき、今回計画を刷新し新たに着手した。
同州内から出されるごみの総量は年間約800万トンで、その半分以上の540万トンが再利用可能と言われている。
ラトガース大学の研究によれば、もしそれらがすべて再利用されれば1124メガワットの電力を産み出す燃料となる計算で、これは約3億1100万ガロンのガソリンに相当する。
同州は20年までに電力総量の22.5%を再生可能エネルギーから調達するという高い目標を掲げており、バイオマスの利用を進めることにより温室効果ガスの排出量を減らす狙いもある。
公益事業委員会内のクリーンエネルギー部は、今会計年度においてこの推進計画に250万ドルを計上しており、今後4年間で総額1200万ドルの予算を組み込む見通し。同部ではエネルギー資源獲得競争が厳しくなっている現在、今後はプロジェクトに奨励金も出す予定だとしている。
バイオマスを推進するにあたって一番の課題は資金面の問題で、プロジェクトには多額な資本的支出が必要となる上、実績のない分野に対する資金援助は集めにくいのが現状だ。