63年前に借りた本、図書館に返却
約2万3000日の延滞償う寄付金と
クイーンズ区オーバンデールの公立図書館にこのほど、63年前に貸し出された本が返却された。17日、ニューヨークタイムズが報じた。
同図書館の郵便室に届いた子ども向けのハードカバーは、伝説上の巨人、ポール・バニアンについてのほら話を集めたグレン・ラウンズ著の「オール・ポール・ザ・マイティ・ロガー」で、貸出カードに刻印されていた日付によると、返却期日を約2万3000日過ぎていた。送り主は、ウィスコンシン州マディソンに住むベティ・ダイアモンドさん(74)で、本と一緒に、延滞料の額を遥かに上回る500ドル(約5万4000円)が、寄付金として同封されていた。
ダイヤモンドさんは、クイーンズ区ホワイトストーンで育ち、お菓子屋に向かう時のよう高揚した気持ちで、図書館に通ったほど本が好きな少女だった。
同書を借りた1957年7月10日には、10歳だったといい、「期限切れの本を持って図書館に行くのが恥ずかしかった」と当時を振り返った。
本を返しそびれたまま、ベイサイド高校に進み、クイーンズ・カレッジで学んだ後、ウィスコンシン大学マディソン校で英語の博士号を取得。同大学ホワイトウォーター校で文学を教えた。他の書籍と共に自宅の本棚に並べ、同書を保管していたが、最近になって“償い”をすることを決心し、図書館に電話をして返却の意向を伝えていた。
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