市史上最多250丁の拳銃押収 たった1人のおとり捜査官が

 ニューヨーク市警察庁(NYPD)は19日、1人のおとり捜査官の働きにより、市史上最多となる250丁以上の違法銃器を押収し、19人を逮捕したと発表した。
 会見会場となったNYPD本部には、押収された銃器が積まれた2台のテーブルが置かれ、レイ・ケリー長官が捜査を行った警官を称賛した。同警官は身元が公になることを避けるため、会見は欠席した。
 同氏は約1年前、別件の麻薬捜査を行っている際に、ブルックリン区在住のヒップホップ歌手マシュー・ベスト容疑者がレコーディングスタジオで銃器を密売している事実を突き止めたことがきっかけで、今回の大型捜査に踏み切った。
 違法銃器の仕入れ先のひとつはサウスカロライナ州在住のアール・キャンベル容疑者(23歳)で、おとり捜査官は昨年10月から24回にわたり同容疑者と取り引きを行い、90丁の銃器を約7万5000ドルで購入。また別のブローカーである同州のウォルター・ウォーカー容疑者(29歳)からは、19回の取り引きで116丁を8万2000万ドルで購入した。
 取り引きされた銃器には兵士用殺傷ライフルも含まれていた。隠しマイクで録音されていた取引時の会話で、キャンベル容疑者が「ストップ・アンド・フリスク」を恐れる発言をしていたことを受け、ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は、同捜査方法の効果を評価した。米連邦地裁は先週、同捜査方法は違憲行為であるとし、制度改正を命じたばかり。