ニューヨークでは近年、インターネットを介して空き部屋を旅行者などに貸し出すことができるエアビーアンドビー(Airbnb)、ワンファインステイ(OneFineStay.com)、VRBOなどのサービスを利用する人が急増している。しかし同時に、市民やホテル業界からは、安全性や法的な公平さを巡り疑問を呈する声が多く上がっている。
ニューヨーク市によれば、貸し部屋の近隣の住民などから、アパートに入れ替わり立ち替わり旅行者が出入りすることへの不満を訴える苦情が多く寄せられているという。また、火災報知器などの防災設備が完備されていない住居も多く、安全性も懸念されている。
同市は2011年、家主が不在の状態で30日未満の短期間、部屋を貸し出すことを禁じる条例を導入したが、実際には人員不足のため厳密に取り締まることが難しいのが現状だという。
またホテル業界からは、同様のサービスでは宿泊税が徴収されず、競争が不公平になっているという不満の声も上がっている。エアビーアンドビーはこれに対し、部屋を貸すためのユーザー登録時に税金支払い情報の入力を求めていると主張しているが、業界側はより詳しい納税情報の開示などを求めるための集団訴訟の準備を進めているとしている。
先日はマンハッタン区で自室をサブレットとして貸し出した男性に罰金2400ドルが課され、大きな話題となった。同様のサービスを巡る当局の対応が、今後も問われることになりそうだ。