マクドナルド、タコベル、ウェンディーズなど大手ファストフード店で働く従業員ら数千人が29日、賃金の引き上げと福利厚生の向上を求め、全米各地でストライキを行った。この運動は昨年11月にニューヨーク市で始まり、その後シカゴ、デトロイト、シアトルなど全米へと広がり、今回は約60都市で行われるなど、近年の賃上げを求める運動としては最大規模となった。
従業員らは今の時給では生活が困難だとして、時給を15ドルに引き上げることを要求しているが、これは現在の連邦最低賃金(7.25ドル)の2倍以上にあたる。大手チェーン店の多くは従業員に最低時給しか支払っておらず、低賃金で昇給昇進の見込みも少ない仕事は「マックジョブ」とも呼ばれている。
これに対しマクドナルド社は「賃金は最低時給から始まるが、地位や経験に応じて昇給する。初任給を上げると全体のコストが上昇し、メニューの値上がりに繋がる恐れもある」との声明を出した。
また全米レストラン協会は「同業界の従業員の多くは就労経験のない若者のため、支払う賃金も低くなる」と説明している。
マクドナルドとバーガーキングは、ほとんどの店舗がフランチャイズ経営で、従業員の給与については各店舗の経営者が決めているため、本社は関与していないと主張している。
オバマ大統領はことし2月に、賃上げは景気浮揚に役立つとして、2015年までに最低賃金を9ドルに上げるよう議会に求めている。