サプリ会社の7割が規定違反 FDA、取締機関の必要性説く


 米食品医薬品局(FDA)栄養補助食品局長のダニエル・ファブリカント氏はこのほど、米国内のサプリメント会社の約70%がサプリメントの原料や製造方法などに関し、FDAの規定に違反して商品を製造していることを明らかにした。この数字は過去5年間のリコール件数やFDA当局の業者検査記録から判明した。
 違反の具体例としては、原料の不明確な計測や不衛生な製造機器、ハーブ製品に含まれる残留農薬や違法な処方薬の混入などがある。同氏はサプリメントの多くは有害ではないと前置きした上で、「市場に出回っている商品には、危険が潜んでいる可能性があることも理解してほしい」と指摘する。
 今や国民の約半数にあたる1億5000万人が、マルチビタミンやミネラルなどのさまざまなサプリメントを定期的に服用していると言われているが、こうした商品は法律上「食品」とみなされており、処方薬のような厳しい規制がないため、誰でも気軽に購入することができる。このため、リコールや製造上の諸問題、製品の汚染による副作用などの問題が度々発生している。
 ファブリカント氏はFDAがこうした状況を改善することは法律上不可能であり、早い時期にサプリメント業界を監督する機関を設ける必要があると訴えている。
 サプリメント業界は年間売上280億ドルの巨大ビジネスで、大小450の業者が参入している。