おうち時間をちょっと楽しくする 大石育子のくらしごと4月ライヨール

 

おうち時間をちょっと楽しくする
大石育子のくらしごと

 連載3年目となる今年は、ニューヨークで私が愛用している暮らしまわりの「もの」や「しごと」についてご紹介してまいります。自宅で過ごす時間が増えている今、皆さんのおうち時間を充実させる心地よい空間づくりのヒントにしていただけたらうれしいです。

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4月 ライヨール

 米国では新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進み、ニューヨーク州では国内旅行者の隔離義務が緩和されました。セントラルパークの桜やストリートに植えられた木蓮やドッグウッドの花も咲き始め、春の訪れとともに世の中が少しずつ明るくなってきているように感じます。  今月は、ステーキナイフで有名なフランスのカトラリーメーカー、ジャン・デュボ(Jean Dubost)のライヨール(Laguiole)ナイフをご紹介します。

 ジャン・デュボは、創業者ピエール・デュボが1920年に小さな工房から始めて、息子のジャン・デュボの代に大きく成長し、世界中に知られるメーカーとなりました。ライヨールナイフとは、フランス南部ピレネー地方の村、ティエールで200年以上前から製造されているもので、ティエール産の製品に刻まれた蜂(マルハナバチ)は、この地方の象徴でもあります。 

普段使いの柄がオリーブウッドのもの。素朴な雰囲気が気に入っています

 ジャン・デュボのライヨールは、人間工学に基づいて作られており、手にフィットし使いやすいのが特徴。もちろん切れ味も抜群です。さらに、持ち手(柄)にさまざまな色が使われており、好きな色が選べるのもうれしいところ。他のカトラリーとも合わせやすいステンレスや木製のものも人気です。

柄がステンレスのステーキナイフも愛用しています。ちょっと触っただけで指が切れてしまうくらいの切れ味です

 

ライヨール?ラギオール?

 どちらも、Laguiole と書きますが、インターネットでソムリエナイフとして検索していると、「ラギオール」または「ライヨール」と出てきます。どちらが正しいのでしょう? 実はこれはフランスの方言。南部地方ではライヨール、北部ではラギオールと発音され、どちらも同じ意味となります。

 ソムリエナイフで有名なのは、シャトーラギオールとフォルジュ・ドゥ・ライヨール。蜂の形はメーカーによってそれぞれ微妙に違います。もとはただの台形部分だったものをナイフ職人が蜂の形に見立てて彫ったのが由来ともいわれています。ニューヨークのレストランでもよく見かけますし、日本の高級レストランでも使われています。

キッチンウエアの見本市「NY NOW」で 見かけたライヨール

 

今月のフィンガーフード

~キャロットのポタージュ~

手軽にできておつまみにもピッタリ、そして見た目も可愛いフィンガーフード。今月は色鮮やかなキャロットのポタージュを作ってみました。冷やして召し上がる場合は、少し濃いめの味に仕上げましょう。

 

【材料4人分】

・ニンジン 200g弱
・玉ネギ 1/4個
・オリーブオイル 大さじ2
・野菜コンソメ 1個 
・水 200ml
・塩・コショウ 適宜
・豆乳 150~200ml (とろみ加減はお好みで)
*飾り ハーブ、エディブルフラワー、生ハムやサラミ、黒オリーブのスライスなど

【作り方】

①ニンジンはよく洗って皮をむき(皮が付いたまま使いたい場合はよく洗う)、ざく切りにする。玉ネギも荒みじん切りにする

②鍋にオリーブオイルと①を入れ、弱火でニンジンの角が取れて表面が少し焦げるまで炒める

③水を加えて沸騰させたら野菜コンソメを加え、ハンドブレンダーで攪拌する

④再び火にかけ、ひと煮立ちしたら豆乳を加え、均一に混ざったら火を止め、塩・コショウで味を整える

★ニンジンは、ちょっと焦げるくらいに炒めると、甘く香ばしい仕上がりになる。オリーブオイルの代わりにバターを使ってもよい。豆乳の代わりに牛乳や生クリームを使うと濃厚な味になる。

★仕上げにサワークリームを入れると、味が一段と引き立つ。

 

今月使ったおすすめアイテム

 スーパーマーケットやグリーンマーケットで買ったハーブ、保存方法はいくつかありますが、昨年からのおこもり生活のなかで発見したアイデアとして「おうちガーデン」があります。  水を入れたコップにミントやタイムなどのハーブを挿して日当たりのいい窓辺に置き、根が出てきたら(水耕栽培)、植木鉢に植え替えます。「根が出たら土に植える」を繰り返せば、おうちガーデンの出来上がり。こんな風にして育てたわが家のハーブは、盛り付けの脇役として毎回、大活躍。何よりもお部屋に緑があるというのは癒し効果があって、おすすめです。ちなみに土がない場合は、コップに挿したままでも十分育ちます。ぜひお試しください。

 

 

 

筆者:大石育子

インテリアコーディネーター、食空間プランナー、英国式紅茶インストラクター。日本フィンガーフード協会認定講師。食空間プロジェクト(FSPJ)認定サロン、初級ディプロマ発行校Atelier de Ikuko New York主宰。「東京ドーム・テーブルウェアフェスティバル」特別審査部門で2019、2020年と2年連続入選、2020年、テーブルウェア・コーディネート部門入選、特別審査部門・奨励賞受賞。日本クラブカルチャー講座講師。

http://atelierdeikukony.amebaownd.com 

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