バーニーズで人種に基づく差別 人権擁護団体が抗議

 高級デパートであるバーニーズ・ニューヨークの買い物客が、人種に基づく取り調べ(レイシャル・プロファイリング)を受けたことに抗議し、人権擁護団体が同社の最高経営責任者との話し合いを求めている。
 4月29日、黒人学生のトレイオン・クリスチャンさん(19歳)は、マンハッタン区マディソン街の同店で、高級ブランド フェラガモのベルトを購入。チェイス銀行のデビットカードで支払った。
 クリスチャンさんは店を出てすぐ、購入に使用したカードが不正な物だったとして、市警察庁(NYPD)の捜査官に呼び止められた。領収書、カード、身分証明書を呈示したところ、身分証明書が偽造だとされ、手錠をかけられ署へ連行された。2時間にわたる取り調べを受けた後、銀行の認証により不起訴となり釈放されたクリスチャンさんは、この一件を人種に基づく差別であるとし、同社とNYPDを提訴した。
 また、黒人女性ケーラ・フィリップさん(21歳)も同店で2500ドルの高級ハンドバッグを購入した後、店外で警官に取り囲まれ、使用したデビットカードについて職務質問を受けたとし、NYPDを相手に訴えを起こす意向を示している。
 黒人活動家のアル・シャープトン牧師が設立した「ナショナル・アクション・ネットワーク」は、人種差別に基づく取り締まりを止めない限り、同店およびNYPDに対するデモを行うと宣言している。