「ワクチン旅行」で続々米国へ
メキシコから数万人が接種
新型コロナウイルスのワクチンを求めて、メキシコなど他国から米国を訪れる人が急増している。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、数万人の人々が空路で米国入りし、ワクチン接種を完了。ニューヨーク市のデブラシオ市長は先日、観光客に対しワクチンを無料接種する計画を発表したが、それ以前から「ワクチン旅行」が目立っている。
とりわけ際立っているのは、メキシコからテキサス州に向かう人々だ。メキシコの航空各社は、テキサス州南部各地への路線を追加し、便数を増加。ヒューストンやダラス、サンアントニオ行きの便は満席の状態が数週間続いており、航空券価格も上昇しているという。
統計によれば、メキシコでワクチン接種を終えた人は全人口の6%にとどまる。メキシコは60歳以上の高齢者に対する接種に力を入れている一方、接種が順調に進む米国では州により12歳以上の人々に接種を進めており、隣国でも差が浮き彫りになっている。
ワクチン旅行の急増を受け、フロリダ州は4月、住民だけに限定していたワクチン接種条件を撤回。アラスカ州も6月から、州内の主要空港でワクチンの無料接種を始める方向だ。旅行で訪れる人々は、航空券を買ってホテルに滞在。買い物や外食などもすることで地域を活性化し、地元経済に波及効果をもたらしている。
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